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東京建物と東急不動産の北青山三丁目地区再開発を徹底深掘り-青山通り沿道で始まった大型計画の全体像をGLC Jobが解説

2026年6月、 東京建物と東急不動産は、 東京都港区北青山三丁目で進む第一種市街地再開発事業の着工を発表しました。

計画地は青山通り沿い、 表参道駅・ 外苑前駅に近い都心の一等地です。 しかも今回は、 単なる高層ビル新築ではありません。 旧耐震建物の更新、 防災性の底上げ、 歩行者ネットワークの再編、 約1haの樹林帯整備、 さらにオフィス・ 商業・ ホテル・ 文化交流機能を束ねる、 青山らしい複合市街地づくりが同時進行します。

GLC Job編集部では本件を、 都心再開発の新しい基準を示す案件として整理しました。 建設業界で働く方、 これから建設業界を志す方に向けて、 事業概要から現場目線の課題、 今後の見どころまで掘り下げます。

注目が集まる背景

本件で最初に押さえたいポイント

この案件に関心が集まるのは、 「東京建物と東急不動産が青山通り沿いでどんな再開発を始めたのか」を知りたいからだけではありません。 実際には、 青山というブランド性の高い街で、 約2.9haの事業区域に約18万㎡規模の複合再開発が走り出し、 しかも約1haの樹林帯整備まで伴うという、 都市再生としての厚みが評価されているからです。

東京建物と東急不動産は、 UR都市機構が施行者となる本事業に事業パートナーとして参画し、 2026年6月1日に着工、 同月5日に起工式が行われました。 計画の中心は、 地上38階・ 地下2階、 延床約17.8万㎡のB-1街区と、 地上3階・ 地下2階、 延床約2,000㎡のB-2街区で、 総延床はおおむね18万㎡級に達します。 日刊建設工業新聞は、 この再開発を青山通り沿道と都営住宅跡地を一体的に再整備する計画として報じています。

つまり読者が本当に知りたいのは、 新築ビルの規模だけでなく、 「青山の都市骨格がどう変わるのか」 「工事として何が難しいのか」 「この案件は建設業界にどんな仕事を生むのか」という点にあります。

GLC Job編集部の視点でいえば、 この計画は都心一等地の大型複合再開発でありながら、 オフィス、 商業、 宿泊、 文化交流、 公共公益、 緑地整備、 歩行者動線改善を同時に扱う点が重要です。特に青山通りが特定緊急輸送道路であること、 周辺に旧耐震建物が残っていたこと、 まとまりある緑と歩行空間が不足していたことは、 この事業が単なる民間開発ではなく、 都市課題に対する回答として位置づけられていることを示しています。

単独のビル計画ではなく段階整備の総仕上げ

この事業を理解するうえで欠かせないのが、 「北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト」という上位の流れです。 東京都都市整備局によると、 同プロジェクトは都営青山北町アパートの建替えと創出用地の活用を軸に、 青山通り沿道との一体的なまちづくりを段階的に進め、 周辺のにぎわい・ 文化・ 緑をつなぎ、 拠点形成とエリアマネジメントの実施を目指してきました。

東京建物の発表でも、 今回の再開発でいう約1haの樹林帯は、 先行地区である都営住宅建替事業と民活事業を含めた面積であり、 先行地区は2019年竣工、 2020年竣工というかたちで既に整備済みとされています。 今回のB地区再開発は、 その先行整備でできた都市基盤と緑地の流れを受け継ぎながら、 青山通り沿道側の更新を担うフェーズだと理解できます。

だからこそ、 本件は「新しいタワーが1本建つ」というより、 「先にできた街区とつながって初めて完成する再開発」と見るのが正確です。 先行地区では樹林帯やビオトープ、 地域イベントの運用実績が積み上がっており、 今回の整備で緑地が広がることによって、 その活動の器も大きくなると公式資料は説明しています。

つまり本事業の価値は、 ハード単体の性能だけでなく、 過去数年かけて整備された住宅・ 民活エリア・ 緑地・ 地域活動との連続性にあります。 建設実務の観点でも、 こうした段階整備型の再開発では、 既存運営との取り合い、 完成済み街区との景観整合、 歩行者動線の切替え、 工事区分の整理が重要になります。 北青山三丁目は、 そうした「都市を止めずにつくり替える」都心再開発の典型例として読むべき案件です。

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事業概要を整理する

計画地と規模と工程

まずは、 事業の全体像を一覧で押さえておきましょう。

項目 内容
事業名称 北青山三丁目地区第一種市街地再開発事業
施行者 独立行政法人都市再生機構
所在地 東京都港区北青山三丁目の一部
事業区域 約2.9ha
B-1街区 地上38階・地下2階、高さ約180m、延床約178,000~178,800㎡
B-2街区 地上3階・地下2階、高さ約20m、延床約2,000㎡
主用途 事務所、商業、宿泊、公共公益施設等
着工 2026年6月1日着工、6月5日起工式
竣工 2030年予定、港区資料では令和12年度完了予定

立地面では、 URの設計概要資料が、 外苑前駅と表参道駅に近接し、 東側が青山通り、 北西側が渋谷区界、 北東側に明治神宮外苑がある地区と整理しています。

この立地条件が、 単純なオフィス開発ではなく、 「青山らしさ」をどう建築と公共空間に落とし込むかというテーマを強くしています。 規模感としても、 公式発表では延床面積において青山地域最大規模の高層建築物とされるなど、 北青山・ 南青山エリアの中でも存在感の大きい計画です。

施工計画や物流計画の難易度が高くなるのは当然ですが、 それ以上に、 街並みへの圧迫感を抑えながら都心の高度利用を成立させることが問われる案件だといえます。

事業スキームと参画体制

本件の特徴の一つが、 UR都市機構を施行者とし、 東京建物と東急不動産が事業パートナーとして参画する体制です。 東京建物の発表によると、 事業パートナーは保留床の取得だけでなく、 事業推進、 入居企業誘致活動、 施設建築物全体の管理運営計画策定を通じて事業を進めます。

さらに東京建物はホテル部分のホテル運営事業者にも選定されており、 単なるデベロッパー参加ではなく、 竣工後の運営まで見据えた関与が明確です。 東急不動産の発表も同じ枠組みを示しており、 これは完成後の街の使われ方まで含めて事業を組み立てる再開発であることを意味します。

加えて、 日刊建設工業新聞によると、 都市計画と基本設計は日本設計、 実施設計と施工は大林組が担当します。 公開されている公式リリースは用途構成や街づくりコンセプトに比重を置いており、 設計施工体制の細部はそこまで詳しく触れていませんが、 建設業界の読者にとっては、 この布陣だけでも案件の性格が読み取れます。

上流で都市計画・ 基本設計をまとめ、 詳細設計と施工で現実解へ落とし込む王道型の体制であり、 都心複合再開発に必要な総合力が前提になっているわけです。 現時点でホテルブランド名や主要テナント名までの公表は見当たりませんが、 それは裏を返せば、 躯体工事だけでなくリーシングや運営準備がこれから本格化する余地が大きいということでもあります。

再開発の中身を読む

オフィスと商業とホテルと文化交流機能

公式資料を読むと、 B-1街区は「大きなオフィスビル」ではなく、 多用途を立体的に重ねた複合施設です。 事務所基準階は7階から37階に設定され、 1フロア約2,800㎡~3,100㎡という青山地域最大級の大きさを持ちます。 しかも低層側の一部にはバルコニー付き小割区画も計画され、 4階にはラウンジ、 5階には貸会議室とレンタルオフィスを整備する方針です。

つまり、 単純な床貸しオフィスではなく、 交流・ 増床・ 来客対応まで含んだ働く場の拠点として設計されています。 青山通りから樹林帯へ抜ける「パッサージュ」も計画されており、 ワーカー体験と街の回遊性を同時に設計しようとしていることがわかります。

低層部に目を移すと、 B-1とB-2の1~3階には、 樹林帯に面するテラスを備えた飲食・ 物販が集積し、 B-1の3~6階にはスモールラグジュアリーホテルが入ります。 さらに1~3階には文化交流拠点も組み込まれ、 1階のイベント広場、 2階の約180名収容の多目的スタジオ、 ギャラリー、 3階の会員制ライブラリーラウンジが整備予定です。

これによって、 本件はオフィス来館者だけの建物ではなく、 地域住民、 来街者、 宿泊者、 企業イベント利用者が混ざり合う施設になります。 北青山三丁目が難しいのは、 規模が大きいからではなく、 「異なる稼働ロジックを持つ用途を美しく同居させる」からだと言ってよいでしょう。

樹林帯と歩行者ネットワークが計画の核になる

本件の象徴は超高層部分だけではなく、 約1haに及ぶ樹林帯です。 東京建物と東急不動産の発表によると、 この樹林帯は先行地区を含めた面積で、 本事業単体の整備対象は約6,000㎡です。 植栽配置や樹種選定はランドスケープ・ プラスがデザイン監修を担い、 現地の生態調査や文献調査を踏まえ、 在来種を基本にした計画とされています。

明治神宮外苑や赤坂御用地など周辺大規模緑地の中継点として生態系ネットワークの一端を担うという考え方も明示されており、 単なる緑化ではなく、 都市の生物多様性や暑熱環境への配慮を視野に入れた緑地計画です。 先行地区では100年先を見据えた育成指針のもとで継続的な生態系調査が行われ、 地域の小学校や商店会と連携したイベントも実施されてきました。 今回の拡張で、 その機能がさらに大きくなる見込みです。

歩行者ネットワークの整備も、 この事業の中核です。 URの設計概要と港区資料では、 西側市街地に広場を整備し、 建物内外を活用した歩行者通路、 歩道状空地、 地区内車路を設ける計画が示されています。 公共施設としては、 区画道路1号を幅員23m・ 延長約160mで新設し、 区画道路2号も幅員5.8~6m・ 延長約130mで整備、 さらに無電柱化を行う方針です。

建物内部には青山通りのにぎわいを緑地側へ引き込むパッサージュがあり、 外部の広場やテラスと連続して機能します。 これによって、 来街者の回遊、 街の抜け、 商業の見せ方、 非常時の動線確保を同時に実現しようとしているわけです。 北青山三丁目再開発は、 ビルの中だけで完結する計画ではなく、 街区全体の歩き方そのものを再設計する案件なのです。

工事と計画の難所を考える

都心現場ならではの施工難易度

まず施工条件です。 計画地は表参道駅・ 外苑前駅に近接し、 東側は青山通りに接しています。 しかも青山通りは特定緊急輸送道路であり、 港区はこの地区の課題として旧耐震建物の存在、 防災性向上に資するオープンスペース不足、 まとまりある緑不足、 歩行空間整備の必要性を挙げています。 ここから逆算すると、 工事では第三者災害防止、 交通処理、 歩行者導線維持、 搬出入の時間帯制御、 騒音・ 振動対応、 周辺営業施設や完成済み先行街区への配慮が非常に重要になると考えられます。

特に、 青山通り沿道で大規模仮設や揚重計画をどう成立させるか、 緊急輸送機能を阻害しない物流をどう組み立てるかは、 都心再開発の要所です。 こうした難しさは、 駅近立地と都心幹線道路沿道という公開事実から見ても十分に想定できるポイントです。

さらに本件は、 先行地区と一体でまちを見せていく案件でもあります。 既に存在する樹林帯や周辺動線、 地域イベントの実績がある以上、 工事中も「街を閉ざさない」発想が必要になります。 公式資料では歩行者通路、 歩道状空地、 広場、 地区内車路、 無電柱化などが整理されており、 完成後の回遊性向上が大きなテーマです。

ということは、 施工側にとっては完成形の導線を意識しながら工程を刻む必要があるということでもあります。 単体建物の工期管理だけでなく、 外構・ インフラ・ 仮設通路・ 近隣案内の統合運営が要る。 施工管理の力量がそのまま街の体験品質に直結するタイプの案件です。

複合用途と緑地を両立する総合調整

設計面でも難所は多いです。 B-1は事務所、 店舗、 宿泊施設、 公共公益施設等を含む鉄骨造中心の高層棟で、 B-2は店舗等を中心とする低層棟です。 建築設備としては給排水、 電気、 ガス、 空調、 消防、 避難、 中央監視、 自動制御、 昇降機、 機械式駐車、 ごみ処理、 通信・ 情報設備が挙げられており、 複合用途に必要な設備群が一通り並びます。

ここに大規模樹林帯、 イベント広場、 ホテル、 商業、 オフィスラウンジ、 貸会議室、 レンタルオフィス、 文化交流施設が重なる以上、 設備容量、 搬送動線、 バックヤード、 避難計画、 セキュリティレベルの切り分けは極めて複雑になります。 特にホテルとオフィスとイベント利用では稼働時間帯や求める静穏性が異なるため、 縦動線と設備ゾーニングの調整が重要になるはずです。

加えて、 公式資料では中低層部デザインを谷口建築設計研究所が監修し、 「自然回帰」を基本理念に、 青山通り側の透過性あるファサード、 門型フレーム、 3層吹き抜けアトリウム、 光と風の通り道としてのパッサージュ、 大庇に覆われたイベント広場などが計画されています。 デザインの完成度を担保しながら、 耐候性、 メンテナンス性、 施工精度、 設備納まりを成立させる必要があるわけで、 ここでも意匠・ 構造・ 設備・ 外構の密な擦り合わせが求められます。

施工の目線では、 「図面通りにつくる」だけでなく、 「街並みと緑の質感まで仕上げる」ことが期待される案件です。 北青山三丁目再開発は、 まさに総合力が試される都心複合案件といえるでしょう。

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建設業界での見どころ

どんな職種に追い風か

建設業界の読者にとって気になるのは、 「この案件で何の仕事が太いのか」という点でしょう。 公開資料から読み取れる範囲で整理すると、 次のような領域に見どころがあります。

領域 背景 現場で問われる力
建築施工管理 地上38階・地下2階の高層複合棟、低層商業棟を同時整備 高層躯体、工程統合、第三者災害防止
設備施工管理 空調、消防、中央監視、自動制御、昇降機、機械式駐車、ごみ処理まで多設備化 複合用途の設備調整、引渡し区分整理
外構・造園 約1haの樹林帯、在来種中心の植栽、生態系ネットワーク形成 緑化品質、雨水・維持管理、景観調整
内装・テナント対応 商業、ホテル、スタジオ、ギャラリー、ライブラリーラウンジを内包 用途別内装、工区分け、段階引渡し
都市基盤・外構土木 区画道路、歩行者通路、歩道状空地、無電柱化を伴う インフラ調整、道路切替え、街区全体の整合

ここで重要なのは、 単一職種の深さだけでなく、 隣接領域とのつなぎ目です。 たとえば設備担当でも、 ホテル、 商業、 イベント利用、 オフィスで要求条件が異なります。 外構担当でも、 単なる植栽工事ではなく、 生態系調査や将来管理を意識したランドスケープの実装が必要になります。

施工管理も、 躯体だけ見ていれば足りず、 街区全体の人流、 近隣調整、 引渡し後の運営を意識した段取りが求められるでしょう。 北青山三丁目再開発は、 都心大型案件の中でも、 専門性と横断力を同時に鍛えやすい案件です。

この案件がキャリアの物差しになる理由

GLC Job編集部として、 本件がキャリアの物差しになると見る理由は明快です。 第一に、 公共性と民間収益性が高いレベルで両立されていること。 施行者はURで、 公共施設整備や歩行空間、 防災性向上が計画に組み込まれています。 一方で、 事務所、 商業、 宿泊、 文化交流施設としての魅力や収益性も重視されている。 第二に、 建築と外構と運営が切り離されておらず、 完成後の使われ方が最初から設計に組み込まれていること。 第三に、 谷口建築設計研究所の監修や青山らしい品格を前提に、 仕上げ精度や都市景観への配慮が強く求められることです。

こうした条件のもとで経験を積むと、 再開発、 複合ビル、 商業、 ホテル、 公共空間整備といった多くの案件に応用が効きます。特に若手や転職希望者にとっては、 「大規模だから価値がある」というより、 「複数の価値軸を同時に扱う現場だから価値がある」と捉えるのがおすすめです。

高層だけ、 商業だけ、 ホテルだけの経験は積みやすくても、 それらを街区単位で束ねる仕事はそう多くありません。 しかも本件は青山という対外発信力の高い街で、 文化交流や緑地の質まで成果物として問われます。 現場経験者であれば、 ここで培う調整力や品質感覚は、 次の大型案件でも強い武器になります。 これから建設業界に入る人にとっても、 自分が将来どの領域で専門性を深めるかを考える材料になるはずです。

今後の展望

これから注目したい論点

今後の注目点は、 大きく三つあります。 ひとつ目は、 運営の中身です。 公式発表では、 東京建物がホテル運営事業者にも選定されていること、 ホテルはスモールラグジュアリー型であること、 商業や文化交流空間も幅広く組み込まれることが明らかになっていますが、 具体的なホテルブランド名や主要テナント、 施設名称は現時点の公表資料では見えていません。

二つ目は、 街としての使われ方です。 イベント広場、 多目的スタジオ、 ギャラリー、 ライブラリーラウンジがどのようなプログラムで運営されるかによって、 この再開発が「オフィス街の付帯施設」で終わるのか、 「青山らしい発信拠点」になるのかが決まります。

三つ目は、 緑地の管理と成長です。 樹林帯は植えて終わりではなく、 長期育成と運営が前提です。 ここまで含めて初めて、 計画の真価が見えてきます。

建設側の視点では、 2030年の竣工に向けて、 躯体進捗だけでなく、 外装・ 低層部意匠・ 外構・ 緑地・ 内装・ 設備の完成度が重要になります。 青山通り側のファサード、 パッサージュ、 大庇、 イベント広場、 樹林帯は、 この計画の顔になる部分だからです。 特に都心再開発では、 タワー本体より低層部の体験品質が街の評価を左右することが多く、 本件も例外ではありません。

施工管理や設計監理に関わる方は、 工程の後半ほど「納まり」と「見え方」と「使われ方」を強く意識する必要があるでしょう。 そこに青山という場所性が重なることで、 この案件は完成後の評価が非常にシビアで、 同時に非常にやりがいのある仕事になるはずです。

竣工後に青山の働き方と回遊はどう変わるか

竣工後の街の変化としてまず想定されるのは、 「働く場所の質」の更新です。 B-1街区のオフィスは大きな無柱空間だけでなく、 ラウンジ、 貸会議室、 レンタルオフィス、 樹林帯に面した働く環境を組み合わせています。 ホテルや商業、 文化交流機能も同居するため、 従来のオフィスワーカー中心の街区より、 滞在時間も来街目的も多様になる可能性があります。

しかも、 イベント広場やスタジオが稼働すれば、 企業活動と文化発信が交差しやすくなります。 これは、 青山が従来持っていたファッション・ デザイン・ 文化のイメージと、 現代的なオフィスニーズを接続する試みだと言えるでしょう。

もう一つ大きいのが、 街の回遊と居場所の変化です。 今回の再開発では、 広場、 歩行者通路、 歩道状空地、 区画道路整備、 無電柱化、 樹林帯拡張がセットで進みます。 つまり、 完成後の価値は容積を積むことだけではなく、 「歩いて気持ちいい街」に変えることにあります。 先行地区と合わせた緑地の連続性が強まれば、 外苑前から表参道へ抜ける途中の滞在価値も上がるでしょう。

都市の再開発はしばしば、 完成した瞬間の高さや床面積ばかりが話題になります。 しかし北青山三丁目では、 むしろ低層部、 広場、 樹林帯、 街路の質こそが長く評価されるはずです。 建設業界にとって本件が面白いのは、 そうした「街の余白」を含めて成果が問われるからです。

まとめ

東京建物と東急不動産が事業パートナーとして進める北青山三丁目地区再開発は、 青山通り沿道の耐震化や都市機能更新を進めつつ、 約18万㎡級の複合施設、 約1haの樹林帯、 歩行者ネットワーク、 文化交流機能を一体で組み立てる大型案件です。 

GLC Job編集部として、 この計画を特に注目したい理由は三つです。 第一に、 都心密集地・ 特定緊急輸送道路沿道・ 駅近立地という厳しい条件の中で、 工程、 物流、 安全、 近隣調整の難度が高いこと。 第二に、 複合用途、 大規模緑地、 文化交流空間、 ホテル運営までを前提にした総合調整型の案件であること。 第三に、 建築だけでなく、 外構、 造園、 設備、 内装、 運営準備まで多くの職種に仕事を生み、 建設業界での経験値を大きく伸ばせることです。

今後は、 テナントやホテルの具体像、 文化交流機能の運用、 樹林帯の育成といった部分が徐々に見えてくるはずです。 北青山三丁目再開発は、 青山の街並みを更新するニュースであると同時に、 これからの都心再開発が何を大事にすべきかを示す、 建設業界にとっての実践例でもあります。

参照元:

東京建物/ニュース 東急不動産/ニュースリリース 日刊建設工業新聞

東京都都市整備局/北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト

港区/北青山三丁目地区第一種市街地再開発事業

UR都市機構/北青山三丁目地区第一種市街地再開発事業

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